櫻井幸雄インタビュー 櫻井幸雄インタビュー

住宅評論家 櫻井幸雄が語る

拡大する「ニューノーマル」。
求められるのは、
時代にフィットする賃貸レジデンス

コロナ禍は時代を4年進めた?

コロナ禍は、私たちの生活に大きな変化を及ぼした。衛生観念が高まり、テレワークやリモートで行われる会議や授業、宅配やデリバリーが増加。そこから、「生活が劇的に変化した」との思いを抱きがちだ。

しかし、冷静に考えてみると、今起きている変化の多くは想定内のものではなかったか。

コロナ禍は時代を4年進めた?

毎日会社に出勤しないで済む時代が始まればよいのに。
遠隔地の人を集めて会議を行うとき、手軽にインターネットを活用できないか。
自宅に居ながら買い物や各種サービスをもっと簡単に、もっと安全に利用したい。

これから先、時間をかけて実現するだろう、と考えていたことの多くがコロナ禍で一気に実現した側面もあるわけだ。

「コロナ禍が時代を一気に10年進めた」といいたいところだが、昨今、時代が進む基本速度がアップしている。コロナ禍がなくても、今の状況は10年もかからずに実現しただろう。速ければ3年、遅くとも5年で実現したのではないか。だから、間を取って「コロナ禍は時代を4年進めた」といったところか。

いずれにせよ、今、起きている変化の多くは、コロナ禍が終息しても廃れることなく、私たちの生活に定着すると考えるべきだろう。

そのとき、住宅は今のままでよいのだろうか。

方向変換が求められる賃貸住宅。でも、実情は......

方向変換が求められる賃貸住宅

ニューノーマルが一時的ではなく、これからのスタンダードとなるのなら、住宅にもそれにフィットした進化が求められる。

テレワークやリモート授業をしやすい間取りにすること、最新のネット環境を備えること、日常的に届けられる宅配物やデリバリーを受け取りやすくすること、さらに家で過ごす時間を安全に、健康的にすること……住宅に求められる課題は多い。

課題が多いので、住宅をつくるときには手間と費用が余計にかかることになる。

もともとの価格が高い分譲マンションならば、時代にフィットした工夫を積極的に導入してゆくだろう。しかし、賃貸住宅では、手間とお金がかかる工夫の導入は容易ではない。

元来、日本では「分譲マンションは高仕様で、賃貸マンションはそれなり」という評価があった。これは、個人で大家業を営む人の多くが、賃貸物件にお金をかけられないことから生じた評価といえる。

その賃貸住宅には、「必要に応じて住み替えがしやすい」、「所有することのリスクを負わない」といった長所があり、あえて分譲ではなく、賃貸を選ぶ人たちがいる。

あえての賃貸派は、機能性や住み心地が劣る物件では満足できない。

そこで、21世紀に入った頃から、いままでにないタイプの賃貸マンションが登場し始めた。

それは、不動産会社が運営するハイグレード賃貸と呼べるものだ。

21世紀からつくられ始めたハイグレード賃貸

不動産会社が運営する賃貸マンションは昭和時代から存在した。その多くは、憧れの都心部に立地し、100㎡以上の広さを有し、月額家賃が100万円以上となる住まい。いわゆる「超高級賃貸」で、一般の人には縁がないものだった。

これに対し、10年ほど前から増え始めたのが、一般的賃貸よりも広く、設備仕様のレベルを上げ、家賃はそれほど高くない、というもの。月額家賃が100万円というようなレベルではなく、1LDKの家賃が20万円前後で1DKや1Kならばさらに賃料が下がる。
そのような条件を満たす物件を、私は「ハイグレード賃貸」と勝手に名付けている。
家賃が多少高くなっても質の高い住居に住みたい、という人たちのニーズに合わせた賃貸レジデンスである。

その賃貸住宅には、「必要に応じて住み替えがしやすい」、「所有することのリスクを負わない」といった長所があり、あえて分譲ではなく、賃貸を選ぶ人たちがいる。

このハイレベル賃貸であれば、ニューノーマルの時代にフィットする住居を提供できるだろう。

NTT都市開発が2021年2月に完成させた「ウエリスアーバン中野坂上」は、その先駆的事例といえる。

外観完成予想CG

ニューノーマルの暮らしにフィットする先進性

顔認証システム

「ウエリスアーバン中野坂上」の特徴は、最新のセキュリティシステムと、テレワーク対応の工夫を凝らしていることで、その先進性には目を見開かされた。

まず、エントランスのオートロックは顔認証システムを備える。居住者はいちいち玄関キーを出さなくても、顔を近づけるだけでオートロックが解錠される仕組みだ。

1階のラウンジにはWi-Fi環境が整った入居者専用のコワーキングスペースがあり、無料で利用できる。コワーキングスペースは9席があり、それぞれにモニターとワイヤレス充電パッドを設置している。自宅でも会社でもないサードプレイスとして非常に魅力的な空間だ。
モニターはパーテイション一体型で、電動式。完全にフラットにできるため、コミュニティの場として利用できるのも魅力だ。

コワーキングスペース
内廊下

建物内はホテルのような内廊下方式となり、どの住戸に住んでいるかが外から悟られにくい。プライバシーとセキュリティが保たれるわけだ。

そして、各住戸の玄関ドアはシックな木調でデザイン性が高く、高級感あふれる。このカーペット敷きの内廊下、木調ドアだけでも、ハイグレード賃貸に住む喜びが味わえるだろう。

玄関の錠は新世代のスマートキーが標準装備されている。スマートフォンのBluetooth接続で開閉(通常のキーでも開閉可能)され、サービス業者や訪問者にスマホで暗号キーを送ることもできる。

これにより、奥の部屋にいたまま、姿を見せずにスマホで玄関キーを解錠することができる。また、暗号キーを送ることで、留守中の家事代行などを頼みやすい。ニューノーマルの暮らしはこのように実現するのか、と感心したポイントである。提携サービスは順次追加されていくとのことで益々楽しみである。

スマートロック
内廊下

NTT都市開発がNTTグループである強みを生かし、光ファイバ1回線を1住戸ごとに利用するNTT東日本のフレッツ光を導入。無料利用できるので、お得感がある。
そのほか、24時間ゴミ出しOKで、共用エレベーターやラウンジは抗菌(デルフィーノ)施工済み。増加するネットショッピングを考慮し、メールボックスにはゆうメール便に対応した大容量大開口タイプを採用。さらには、宅配ボックスを総戸数の30%にあたる34区画も用意しているなど、生活を快適にする工夫が多い。

ここまで、ニューノーマルの生活を見据えたマンションは、分譲でもまだ見たことがない。

中野坂上という立地もニューノーマルにフィット

「ウエリスアーバン中野坂上」は全99戸で、間取りは1K、1DK、1LDKのコンパクトタイプとなる。

住戸タイプから、単身の居住者が多くなるはずだが、その単身者に暮らしやすい立地条件を備えているのも「ウエリスアーバン中野坂上」の注目点となる。

建設地は、中野区中央2丁目。東京メトロ丸ノ内線「中野坂上」駅から徒歩7分だ。

建物の周囲は、閑静な住宅エリアとなるのだが、西新宿エリアに近く、超高層ビル群が間近に見える。

505号室より北東方面を2021年2月に撮影

「ウエリスアーバン中野坂上」がある中野坂上エリアには住宅地が広がる。じつは、「ウエリスアーバン中野坂上」が建設された場所は、以前、NTTグループの社宅があった場所で、落ち着いた住環境が保たれている。

そして、同マンションから徒歩10分以内にスーパーマーケットが3つあり、ベーカリーやコーヒー店も身近に多い。マンションが閑静な住宅街に立地し、生活しやすいことも、家時間が長くなった人にはうれしい特徴となるだろう。

「ウエリスアーバン中野坂上」は、ニューノーマルの暮らしを存分に楽しむハイグレード賃貸に仕上がっている。

オリンピック中野坂上店(徒歩7分/約500m)
D.studio nakanosakaue(徒歩6分/約420m)
住宅評論家 櫻井幸雄氏

住宅評論家 櫻井幸雄氏

全国の住宅事情に精通し、現場取材に裏打ちされた正確な市況分析、わかりやすい解説、なにより前向きな姿勢で定評のある、住宅評論の第一人者。Yahoo!ニュース「個人」の執筆者であり、日本テレビ「ヒルナンデス」やテレビ朝日「モーニングショー」などテレビ出演も多い。